実在する大好きな友人の家で、二人で親密な時間を過ごした後に仕事関係の来客があった。
別の部屋で帰る支度をゆっくりしてる間に、聞く気がなくてもいろいろな話が耳に飛び込んでくる。
どうも今までに異性関係で多くの問題を引き起こしていたようだ。
まあ、自分には直接関係ないことだと思って、帰ろうと玄関に行ったら友人が「あ、スカートは持ったよね?」と。
これは自分のもののことを言ってるのではない(パンツルックだったし)。今までも来た子にはなんかしら帰りにプレゼントをあげていたらしい。
でも、別に直接プレゼントされたわけでもなく、勝手に自分の持ち物に入れて盗っていくようなことをするわけないではないか。
「基本的に私スカートなんか履かないし、いらない」と言うと。なんか別の袋をもってきた。いいといえば次。
内容がうんぬんじゃなく、なんかその行動にいらっときて「別に何かをもらうために来たわけじゃないから!」と言うと
「あ、そ。」とガラっと態度が変わった。
しかし、玄関の端に置いてあった自分の靴がない!
靴箱の中など探しまわったが見つからない。一見友人も心配してくれてるような顔だが、どうでもいいから早く帰れよという空気を発散させている。
ものすごく惨めでやるせない気持ちだ。
どうやら先に来て帰った他の子が故意か間違いか履いて行ってしまったようである。
代わりに前からずっと置いてあったらしい黒の運動靴を見つけた。後ろのへりにちゃんと私の名前も書いてある。
今日の格好にその運動靴は非常にちぐはぐで合わないんだけど、とりあえずまあいっかと。
とはいえ、この態度の急変はどうもしっくりこない。別人のようなこのよそよそしさはなんだろう?
突然遠いところへ去ってしまったような不安感に、ちょっと問い詰めてしまった。返事の代わりに罵倒、嘲笑を受けた。
今まで築いてきたもう関係もこれまで。
悔しくて、悲しくて、家に帰る坂道をあがっていったが、そのまま帰れる気分ではなかったので、家の前を通りすぎてさらに道の奥へと上がっていった。
そこはかなりの田舎で、山の温泉に行く途中にあるような、鄙びて近くに川も流れる山へ続く場所だった。
坂はどんどん傾斜もきつく、歩道も狭くなって、どうとう草木も生えない岩山のような道になった。
ロープが下がっていたので、それにつかまりながら進む。
最初はつかまって普通に歩けたけれど、そのうちほぼ垂直に切り立った崖となり、ロープを必死にたぐりよせて腕で体重を支えるような形になってしまった。
もしそこで手が離れたら数十メートルはあると思われる下の車道に叩きつけられて命はないだろう。
体力的に厳しくなってきたけれど、もはや行き着くところまですすむより他はない(戻るという考えは一切浮かばなかった)
ちょっと上を、若い登山団体のような人達も歩いていたが、なんとなく心配そうに時折振り返る。
私の手前の女性がその次のロープを握っていたが、「それ、かなりまずいから早くこっちを掴み直した方がいいですよ〜」と。
見たら握っていたロープの20cmほど先がケバケバとして細くなっており、もっと体重がかかったら擦り切れそうな状態だった。
声は掛けてくれたけど、別に手助けをしてくれるわけではない。なんとかひとふんばりして次の頑丈そうなロープを掴んだ。
黙々と進んでいく中、彼らの間でひそひそ話が伝わるのが聞こえてきた。
どうもなんか、ある有名人と間違われているようで、さきほど私も痛い思いをしたあの友人に裏切られてかなり傷ついたという点では一緒らしい。
でもまったく他人だし、わざわざ訂正して自分の傷を広げるのも屈辱的だし、気恥ずかしいような思いで登っていく。
「今夜はどこの宿にお泊りですか?」
この先は温泉街に続いていたので、彼らが入っていった旅館と別の宿を選んで宿泊するふりをした。
これは午後、ソファでうたた寝してる間に見た夢である。
目が覚めた時に、私、なんかその友人の気にさわることしちゃったのかなあ?と心配になった。
夢占いをみるまでもなく、何か現実問題で不安やトラブルを抱え込んで、ぎりぎりの橋を渡ってる状況があるのではないかという気がしました(^^;)