kindleで、サンプルではなく全ページ丸ごと、しかも1~13巻までシリーズ全巻無料になっていた。
自信のある漫画はだいたいサンプルの数ページ、もしくは1巻のみで読者を引き付けて後を買わせるという手法だと思うが、まるまる全部が無料??
ってことは、よほど人気がなくてつまらんのじゃないか。。。。と思いDL後も読むのを後回しにしていた。
とんでもない。
めちゃおもしろいじゃないですか!思わず連続で読み通してしまいましたよ。
エリート大学を卒業した医学部の学生が、同大学病院に研修医として配属され、病院内に潜むさまざまな矛盾にぶちあたり、患者との葛藤に悩みつつ成長していく物語。
と、聞くとなんかつまんなそ~~~~~と思われるかもしれないが(笑)
とにかく主人公が恐ろしく純粋でまっすぐ。
大人の都合とか、国や制度との軋轢とか、権威に対するへつらいとか、社会的に許容されないあきらめとか、そんなもんに真っ向から体当たりで傷つき、挫折し、絶望の中からも何かをつかみとろうともがく姿が、不器用とは思いつつも共感せざるを得ないものがある。
プロとしては、やりたくても超えてはならない一線というものもあると思う。思いだけではどうしようもないこと。。。。
それを若さと経験不足の無知ゆえに無造作に乗り越えていかれる主人公が、だからこそまぶしいのかもしれない。
一見正義の塊だが、それを許して支えた周囲の支えがあってこそのもの。
実際には彼の行動によって今まで耐え忍んで築き上げたもの一生を棒に振る可能性が大きかったのは周囲の教授などの方だ。
それでもあえてその危険をのみこんだのは、彼の純粋さと熱意に本物の良い医者になる素質を見出し、未来にかけたからだろう。
くれぐれも覚悟もないのに、ただ己の正義を振りかざして激情のままに行動することを良しとして真似するのは、ただのエゴと自己満足の紙一重ということを心に留めよう。
現実的には潰されてその世界で生きていけなくなるようになる方が多いだろう。
だからこそ自己を貫き通そうとする主人公に惹かれるのかもしれない。