Pen 2011年 1/15号 キリスト教とは何か

宗教

Pen (ペン) 2011年 1/15号 [雑誌]

「Ⅰ」も購入したはずだが、引っ越しで紛れ込んでしまったので「Ⅱ」から。

ネット上で宗教について論議することは一般的にタブーとされています。何故なら育った環境や、信念や、個々の精神的な部分に関わって来るから。
「Pen」という雑誌の特集なのですが、この内容のいいところは、主に美術的に読み解いているところですね。

秀作の様々な名画をみながら、「これはどんな場面を表しているのか」「何を象徴しているのか」などが、端的に記されています。
また、流れに沿って絵画とともに物語形式で聖書の一部を抜粋しているので読み易い。

カラヴァッジョ、ラファエロ、ミケランジェロ、ボッティチェリ、デューラーなどの巨匠から、よく知らなかった画家たちまで、素晴らしい絵画が満載で美術書と言ってもいい。

いやほんと、これを見てたら無性に美術館へ行きたくなります。
今ゴヤの伝記的なものを読んでますが、やはり教会のフレスコ画を描いているんですよね。
古くより、西洋の画家にとって教会に関わる仕事をすることは、大きなステータスでもあったようです。

もちろん絵画は見た人が心に感じたままを受け取ればいいとも思いますが、書き手の意図とかその絵の示す物がわかれば今まで見過ごしていた部分にも注目するようになっておもしろさは増す場合もあります。
特にこういう宗教画は題材がはっきりしているので。

キリスト教は偶像崇拝を禁止していますが、やはり視覚的な効果というのは高いですね。

他にもエルサレムという土地が抱える複雑な事情や、十字軍遠征の謎、修道士なのに騎士団という不思議なども。

建築家の作った各国の教会も見応えがあります。かなり現代風なものから、型破りやまるでプラネタリウムか美術館か、、というものまで。建築も芸術のひとつなんだなぁと。

もちろんその薄いページでキリスト教のすべてがわかるというわけではありませんが、よく知らない人が抵抗なく読めて概要を掴める。個人的には良書だと思います。

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