「シャルル・ペローの童話」と言うと、日本ではあまり聞き慣れないように思うかもしれないが、この本におさめられている内容が
「長靴をはいた猫 」「赤頭巾ちゃん」「仙女たち」「サンドリヨン(シンデレラ)」「巻き毛のリケ」「眠れる森の美女」「青髭」「親指太郎」「驢馬の皮」
となれば、「ああ!」と思い当たる人も多いのではなかろうか?
ぶっちゃけて言えば「グリム童話」とかぶっている話も多いのだが、そもそもどちらも「民間伝承」を元にまとめあげたものだからなのです。
しかし、中には相違もあるので、読み比べてみるとなお一層おもしろいかもしれない。
しかもこの翻訳を手がけたのが澁澤龍彦さんとあらば、読まないわけにはいかない(笑)
童話といえども子ども向きとも言い切れない。そんな気分になる本だ。
必ずしも「めでたしめでたし」では終わらない。あきらかに性的な臭いをぷんぷんさせているものもある
。残虐でもあれば、徹底的ないじめでもある。う〜〜む。
澁澤龍彦さんなので、これがまたお上品に仕上がっていたりします(^^)
話の終わりには「教訓」が入っているのですが、果たしてそのまま受け入れてよいのやら。。。
片山健さんの挿絵がこれまたいい味を出しています。
決して整ってはいない妙なアンバランスさが奇妙に強烈なインパクトを与える。
不幸をかぶるのが、みんなやたらと美女だったり頭がよかったりするのがおかしい!とかなんとかあると思いますが(え?ない?w)、1話1話がとても短いので非常に読みやすく、携帯するにもいい本です。