かの有名な昔話がモチーフとなっており、大筋は一緒。
良いじいさんの瘤が欲張りじいさんに、、めでたしめでたし。
で、終るわけではなく、後日譚のようにそこへ晴明と博雅が関わって話が広がる。
おさめられているのはこの一話だけで短くあっというまに読み終えてしまうのだが、それ以前に絵本としての完成度がいつもと違う雰囲気で良い。
文庫版サイズではあるが、まず、紙の質が違う。
そしていつもは「陰陽師」シリーズのカバーを描いている村上豊さんの絵が、ふんだんに散りばめられているのだ。
文章の端にちょこっとモノクロの挿絵という程度ではなく、見開きフルカラーでドドーンと。
飄々とした文章に、昔話そのもののどこか力の抜けた絵が似合う。
大人の絵本として良い感じではないでしょうか。
また、このシリーズが好きで読んでる人には、懐かしいメンバーも顔を揃えて同窓会のように懐かしい気分になるでしょう。