澁澤龍彦事典

ノンフィクション

澁澤龍彦事典―Encyclopedia Draconia コロナ・ブックス (9)

私の非常に好きな作家、澁澤龍彦さんに関わる本ですが、彼の著作を集めているわけではありません。

この本は彼に捧げるオマージュとでもいうべきものでしょうか。
関わりや交流のあった、もしくは影響を受けたという、詩人、作家、文学者、画家、歌人、評論家、歴史家、博物学者やいろいろな専門家など、種々多様な分野の方々が特定のキーワードをもって澁澤龍彦という人間を語ります。
以前から気になっている、彼の書斎にもあった人形作家、四谷シモンさんの寄稿文もありますね。(当然テーマは「人形」)

もちろん彼のすべてを語り尽くせるわけではないですが、様々な角度からスポットを当てて、彼が興味を持った対象についていろいろ触れることができるという試みは非常におもしろい。

あの幅広い知識や想像はどこから生まれてきたものか?どういうところから刺激を受けたのか?その一端が覗けます。
数多くあるキーワードのほんの一端を紹介しますと、「迷宮」「両性具有」「天竺」「玩具」「怪物」「庭園」「少女」。。。などなど。

澁澤ファンなら胸躍るような言葉がちりばめられているのではないでしょうか?

ひとつひとつはパズルピースのようですが、総合的に見渡すと澁澤龍彦という形がおぼろげに見えてくる。
彼自身がまるで宝石箱というか、スクラップ場、ブラックホールみたいな人だなとつくづく思います。

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