僕だけがいない街

漫画

僕だけがいない街(1) (角川コミックス・エース)

生きてりゃ誰しも悔やんでも悔やみきれないことの一つやふたつあるだろう。
もしあの時に戻れるのなら、やり直したい。そうしたら違う未来があったかもしれないのに。。。。。

まさにそんな夢をかなえて見せてくれる話だ。
過去にもタイムスリップして歴史を変えようとしたが、結局は大きな流れには逆らえぬという内容の話はいくつかあった。
小さなひとつの変化をもたらしても、似たような別の要因で打ち消されてしまう。多少ディティールが変わっても結果は変わらない。

最初はこの話もそんな絶望に陥るのだが、小さな修正から大きな変化に変わった時生まれるのはパラレルワールド。
まったく別の軌道を走り出した時、タイムトラベラーはどうなってしまうのか?

核となるのは連続小学生誘拐殺害事件で、勘の良い人ならある程度早い段階で真犯人の目星はついてくると思う。
しかし、そういうミステリー性よりも、何を思いどう行動するか。強い意志を持って最後まであきらめず食らいついた時に何が得られるのか。
人が人と関わるとはどういうことなのか。

社会問題や親としての生き方、家庭環境で狂ってしまう感覚、他人とうまく付き合えない不器用な人々など現実的な問題を提起しつつも、どこかじんわりと温かさを感じる優しさもある。
子どもから大人まで読んでも良いと思う素敵な漫画でした。

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