音楽エリートの家に生まれ、幼少よりピアノの英才教育を叩き込まれてきた転校生が、スラムのような街で育ち、裏手の森に捨てられたピアノをおもちゃとする自由奔放でやんちゃな少年と出会う。
しかし、その貧しい少年は天才的な才能を持っていたのだ!
、、、と聞いても、
「ピアノとかやってないし、興味無い」
「音楽は好きだけどクラシックあんま聞かないし」
と、感じる人もいると思う。
かくいう私がその口で、今まで書棚で目に入ってきてもスルーしてきたのだ(。-_-。)
んが!
これ、そういうこと関係なく面白い漫画ですっ!
それぞれがいろいろな重荷を背負いながら、時には友情を育み、時には傷つけ合う。
ただ、ピアノを演奏することにかけては真摯に向き合い、 そこからお互いを認めたり、何かを感じ取ったりしながら人間的にも成長していく。
そういう人間ドラマが見事に織り込まれていて、ピアノや音楽に縛られずとも感じるところがたくさんあって面白いのだ。
面白い漫画というものは最後まで、この先の展開が気になって仕方がない、早く先を読みたいと思えるものだと思う。
オリンピック選手などもそうだと思うが、どれだけ様々なものを犠牲にして必死に耐えて頑張ってきたとしても、同じ舞台に立つような人というのはやはり同じように自分を削って努力してきただろうということを忘れてはならない。
例え外に出さないとしても、運や才能だけでは超えられないラインというものもあるはずだ。
もちろん自分の出せるギリギリまで絞り込んだ上に才能、、、というのか個性の煌めきのような違いはあるかもしれないが、手を抜いた人には見れない領域があると思いたい。
なんとも美しく雄大で、哀しくも力強く、そこにいる人が風を感じ、降り注ぐ木漏れ日を感じるような、そんなピアノのを私も聴いてみたい。