あれ以来日本人形が怖くなってしまったが、高校に上がる前に部屋も兄と別にしてもらった。(父親の書斎を明け渡してもらったのだが)
それに伴い1階で川の字になって寝ていたのも、父と母が下で、兄弟はそれぞれの部屋で寝るようになった。
この頃からさらに金縛りが本格化して、酷くなっていくのだったが、、、
そんなある日、母の親族で国際結婚した叔母さんが遊びに来て、お土産に可愛らしいフランス人形をお土産に持ってきた。
金髪でふっくらした頬、緑がかった青い瞳、白いワンピースに白いタイツを履いていて、寝かすと目をつぶり、起こすと目を開けるタイプだ。
人形にはちょい引っかかったが、こんな可愛らしい西洋人形ならば大丈夫だろうと。
ほら、日本人形って魂が篭もりやすいとか、本物の髪の毛使ってるとかいうでしょ?明らかにこれは合成繊維とビニールっぽい素材だし。
とりあえずタンスの上に他のぬいぐるみなどと一緒に座らせて置いておいた。
しかし、これがある頃からまたもや視線を感じるようになった。
前と同じように机はタンスに背を向ける配置であったのだ。
試験勉強で一夜漬けなどしてる時には気が散ってしょうがないので、タンスの上に置いたままではあるが、寝かせておくことにした。
しかし帰宅してふと気づくと起き上がって座っている。
これは母が掃除をしている時などに気づいて起こしたものだろうと思い、また寝かせておくと同じくまた起こされている。
3回くらい繰り返しただろうか。そっと母に人形を起こしてるか聞いたら「知らないよ」と言われたが、家事とか無意識にぱぱっとやることもあるので、忘れてるだけだろうと。
そこで、今度は押入れを開けて、奥の方にしまい込んで寝かせておいた。
これなら視線も感じないし、掃除のときも目につかないからと安心していたのだが、何かの用で押入れを開くと何故か起き上がって座ってこっちを見ている。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
いやいや、多分母が余計なとこまで片づけたに違いない。
手前にいろいろ物を置いて人形を隠すようにして、押入れの中で横たわらせた上に布をかけて寝かせておいた。
何日かして押入れをあけたらやはり起き上がって座ってこっちを見ている。
そんな普段用事がないような私の部屋の押入れをあけて、わざわざ人形を引っ張り出してすわらせるなんて手の込んだことを忘れるはずがないと思い、改めて母に尋ねたが「なんのこと?押入れなんか開けないよ」と一蹴された。
今まで無意識であっても、わざわざ問われた以上やろうとしたら意識に上るよな?と思ったが、やはり起き上がる現象はその後も生じた。
うーむ。これは。。。。。。。。
さすがにちょっと不気味に思い(特に押入れなんて薄暗い中ちょっとずつ光がはいりこみ浮かび上がるという特殊効果になってるし)意を決してとある日曜日。
そっと布にくるんで鎌倉のとあるお寺に奉納してきました。
とはいえ、そういう人形とかおもちゃの納められるのは水子供養の処なんですが。。。
まったく潔白ボディの10代でそういう目でみられても困るのだが背に腹は代えられないので参拝者が周囲にいないときにそぅ~~~~っと。
それ以来日本人形と合わせてこの西洋人形も帰って来るんじゃないかと二重の不安が被り、いよいよ人形というものに対して不信感が募っていったのです。