上野国立科学博物館/恐竜博2016-1

03 関東国内東京都

春休みが終わり、G.W.までの間。一番空いてる時期じゃないか?と思って行ってきました「恐竜博2016」(6月12日(日)まで開催)

7時の特急に乗り、開館前に並べば余裕だろうと思ったが。。。甘かった。天気の良い土曜日だったせいもあってか、すでに行列ができてました(ーー;)
科博の特別展示でも恐竜は一番人気だし、ティラノとスピノの二大共演だし、仕方がないっか。

今回のテーマは、「起源」「植物食」「飛翔」「水中進出」「赤ちゃん」「恒温」「鳴き声」の7つがキーワード。武井壮さんがナビゲートする音声ガイドもしっかり借りて入場〜〜〜!

まず最初の通路が「起源」
手前からアシリサウルス。日本初公開です。
少し前の定説では、恐竜の定義って「直立歩行」つまり、トカゲやワニのように体の横に広がるように足がついてるのではなくて、地面に対して垂直に足があることが大きな要素だったと思うんだけど、こ、こいつは、恐竜ではなくて恐竜タイプの爬虫類だとぉ〜〜?

ほぼ恐竜にしか見えないが、今じゃ腰の骨盤部分に「寛骨臼」といって穴が貫通してることも条件になってるとか。。他の特徴はもうほぼ恐竜。
それがなんと三畳紀中期にすでに存在していたというから驚きだ! と言ってもそんな恐竜好きじゃない人にはわからないと思うがw

大部分の恐竜の仲間はジュラ紀〜白亜紀。三畳紀後期からいたのだって、限られているのに。。。というか、今回はその古いやつらが結構来てるんだぞ。

次に並んでいるのが、エオドロマエウスとエオラプトル。
共に三畳紀後期の現在最古クラスの恐竜で、原始的な竜盤類だ。大きさもほぼ同等の1.2mほどの小型。
ただし、手前のエオドロマエウスは獣脚類で奥のエオラプトルは竜脚形類で異なる。
これは、復元図の見た目もそっくりなくせに、続く同類としてはティラノサウルスとブラキオサウルスというぐらいに大きな違いなのだ!

そのお隣がヘテロドントサウルス。
パッと見た目は前者と似てるがこいつは鳥盤類。恥骨の向きが獣脚類とは逆で後ろ向き。草食性に多いタイプ。

そして、角を曲がったところから「植物食」
これまた日本初公開のチレサウルスがお出迎え。2015年に論文記載というまさに発見ほやほやの恐竜だ。

絵がとってもキュートで人気がでそうだが、これがまた非常にトリッキーなやつなのだ。

前足と背骨が獣脚類、歯や顎は竜脚形類、骨盤や後ろ足は鳥盤類に近いというまるでキメラだ!
後の草食系に見られるようにクチバシもあるがさらに歯もある。肉食系のとがった歯ではなく四角く草食系の歯だ。
一応現時点で獣脚類に分類されてるようだが、今後化ける可能性もあるかもね。

向かい側の壁沿いには、古代の植物化石が展示されていた。地味だけどどういうものを食べてだんだん巨大化していったのか参考になるね。
植物も生きているので当然進化する。そこには食べようとするものと食べられまいとするものの戦いがあるのだ!

奥の突き当たりの壁面に大型竜脚類のカマラサウルス。
まだ若い個体なので最大級ではないが、子供サイズはこれの他には現時点で世界で一体しかないという。
壁にはアパトサウルスの実物大の影絵と骨の椎体ひとつもひっそり展示。

お隣の部屋から「飛翔」となる。つまり空へ向かっていくわけだ。
ほとんど白亜紀前期に登場したものであるが、まずはコエルロサウルス類のエピデクシプテリクス。
尾羽はあるが、まだ翼や皮膜は確認できていないという。

そして、これまた2015に報告されたばかりの新種であるイー・チー。
もさもさと毛のようなものが生えてるのもはっきり。
まるで蝙蝠のような皮膜だが、どちらかというとムササビの方が近いという。
体の大きさに対して皮膜部分が小さいように見える。
近縁種とみられる上のエピデクシプテリクスよりも古いことから、エピデクシプテリクスにもこういう皮膜があった可能性も見えてきたようだ。

そしてもはや尾の長いカラスのようなミクロラプトル。明らかに羽の跡が残っている。
昔はもっといろいろカラフルに描かれていたはずだが、最先端の研究で色素関連の細胞を調べられるようになり、ほぼ黒っぽい色であることが判明したとか。

長くてシダのような尾に加えて付け根にも鳩のように短い尾羽があったという二重の尾をもったジェホロルニス。ちょっとコミカル。

コンフキウソルニス。現存のサンコウチョウに似た長くて二股に分かれた尾をもっていたらしい。このあたりになると、もはや今いる鳥たちと何が違うのかわかりにくい(--;)

イーシャノルニスも日本初公開。ほぼカモの仲間にしか見えない。飛ぶ能力も優れていたのだろうなという形態だ。
ちなみにここまでの「飛翔」の仲間はすべて中国の遼寧省で発見されたものだ。
そういう種類が発展しやすい何か自然環境が広がっていたのだろうね。

そして。。。。骨っぽいアーチをぬけた先に待ち構えていたのはあいつ!!

マニアじゃなくても誰もが知ってるだろうティラノサウルス!白亜紀末期北米の王者ですな。

脚の骨も巨体を二足歩行で支えるためがっしり。なんせ手をついたらそのまま転がりそうなアンバランスさだからね(^^;)
足の指の関節部分は横から見たら穴があいてるようだ。

骨のフォルムのかっこよさと迫力で、やはりいつでも人気者。

ティラノは違うけどそれは多分比較用に(と客集め用にw)、このフロアは「水中進出」そしてその主は。。スピノサウルスなのだぁ〜〜〜!!

ティラノよりも実は大きいスピノサウルス。メジャーな恐竜のイメージがあったんだけど、第二次世界大戦時に焼失していらい、2014年まで復元骨格は存在してなかった為、名前は有名でも研究が進んでいなかったということなんだよね。

口の先には多数の穴が。これは集中した神経が通ってレーダーのような働きをしていたのではないかという。(でか鼻のようだが、鼻はもっと後方上部にあり、それもワニなど泳ぐ生物に共通する特徴)

今回後ろ脚部分が見つかったことがまた大きな一歩に!
昔は二本足で立ちあがった絵がポピュラーだった気がするが。。というのも最初の発見の時には脚部分が見つかってなかったようなのだ。だから一般的な獣脚類の特徴として太くがっちり二足歩行と想像されたのだろう。

比較してみるとよくわかるのだが、こちらがティラノサウルスの脚。がっつり骨太である。

対してスピノサウルスの脚はどうみても華奢で、この巨体を支えるには脛のあたりが折れそうだ。
よって4足歩行ではなかったかという説が出てきたわけだ。

とはいえ4足にしてもやはり細い。加えて手がやたらに大きい。水かきがあれば水中の推進力にもなりそう。それに水中ならば浮力でカバーできるので足腰への負担も少ないよね。

歯もよく見てみよう。ティラノサウルスなど肉食の代表は、するどく尖っているが、肉を引きちぎる力もかかるので、結構太くがっちりしている。

対してスピノサウルスの歯は同じく鋭いので肉食系のようだが、ちょっと細長い気がするんだよね。あまり繊維質のものだと歯茎にかかる負荷が大きいような。。
頭部の形状もワニに近い。ワニはバリバリ動物襲いますが(^^;)

シーラカンスの仲間のアクセルロディクチス。こういう古代魚類を餌としていたのかな。小動物くらいもいったかもしれないね。

長くなりすぎなので記事を区切って続けます。

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