宮城:青根温泉 湯元 不忘閣

! 温泉02 東北国内宮城県

先日、仙台に行く用事があったので前泊でどこへ泊まろうかということになり、秋保や作並よりちょっと離れているけど気になっていた「湯元 不忘閣」を予約してみた。

時間より早く着きすぎてしまったので、すぐ近くの足湯で時間をつぶす。熱すぎず、ぬるすぎず、適温で気持ち良い。ここは脇道を入ったとこにあるほうだが、不忘閣のすぐ斜め前にも別の足湯がある。

頃合いを見て旅館へ。見かけはちょっと古さが際立つ、横に広いお宿という感じなのだが、実は見えないとこですごかった!

ここ不忘閣は伊達藩主の御殿湯であり、「青根御殿」が建つ。青根温泉発祥の湯である。
お部屋は純和風で、お手洗いも部屋付きですが和式。廊下も歩くとギシギシと鳴る年代を感じさせる。

男女別の御殿湯と大湯は朝と夜の8時に入れ替え制。
体や頭を洗えるシャワーと水道があるのは御殿湯のみなので、まずはここからスタート。

古民家風の扉が情緒をそそる。夜8時までは女湯が小さい方だったが、昔の銭湯っぽく男女の浴槽は同じ建て屋で、やや低めの仕切りで区切られている。その為お隣のしゃべり声や湯を使う音は筒抜けだ。

シャワーも同じ水道の為、男湯で蛇口を捻るとこちら側の出が急に悪くなるという(笑)
こういうのも情緒と笑って済ませられる人なら問題ない。てか、シャワーも蛇口もない湯桶のみのとこも何回も泊まってるしね。

体と頭を洗い流してちょっと温まったら、今のうちに女性専用になってる大湯へ((((っ・ω・)っゴー!

廊下から一旦外へ出て、扉を開けると土蔵のような広い空間になっていた。

脱衣場は、風呂脇の石畳の上にちょこんと籠が置いてあるだけ。
そのままてってれ〜と浴槽にむかいかけ湯をしたらちゃぽん。

この大湯がまさに天文15年に伊達藩主の御殿湯として作られた青根温泉発祥の湯。
建物自体は老朽化で再建されたが、古い石組みの浴槽は、伊達政宗公が浸かった450年以上前の姿のままだという。

窓と言えるものはなく、高い天井には太い梁が通り、下部にちょこっと明り取りがあるくらいなので中はかなり暗い。お子様とかは怖いかも(笑)
長い石造りの湯船に土壁が落ち着く。歴史の貫禄を感じられるよい風呂ですな。

手前には金泉堂と名付けられた、中庭に面した休憩室があり、地酒とちょっとしたつまみと、コーヒーなどのフリーサービスがあるのも嬉しい。綺麗に整備された中庭に面しています。

廊下挟んで向かい側にはマッサージコーナーがあり、厚手のふかふか毛布が暖かくて気持ちいい。

少し休憩後、ちょうど空いてた蔵湯に向かう。ここは貸切制になっているので(宿泊客に別料金ないよ!)ロビーで木札をもらって風呂入口に立てかけておく。

そこから立ち並ぶ蔵の脇の長い通路を通って突き当たり、一番奥の蔵の中にまさにあった。
大きな蔵戸を引き開けた人は、まず歓声を上げてしまうだろう。

重厚な広々とした土壁の蔵の中にぽつんと総檜造りの湯船がスポットライトに浮かび上がる
それを独占できる贅沢さ!

こりゃ殿様気分に浸れる極上の空間だ。

表から見たらただ古びた宿のようだが、実は宿全体は斜面に建っているので、一番上の部屋までがひたすら長ーい階段を登らなければならなかったので、年配の方などにはきついかも。なんども風呂と部屋往復するとよい運動になるわ。
特に夕食後、はち切れそうに腹一杯食べて酒も入った状態で上るのはキツかった(^^;

夕飯前に、新湯にも行ってみた。こちらも貸切制。
蔵湯入口よりさらに奥、廊下をズーっと進むと地下?に下る階段がある。

こちらも石造りのコンパクトな湯船で、大湯の次に古いそうだ。

風呂上りに休憩室で飲み物を取り、マッサージ機で全身フルタイムやったらまた体が冷えてきたのだ、そのまま半露天というこれも貸切風呂へ行く。
備えのつっかけに履き替えて、扉を開けるといきなり壁に阻まれる。あれ?どこにも行けないと焦るなかれ!
下の方に低い潜り戸があるのだよ。

ちょうど階段と二階の下というデッドスペースに作られた不思議な空間です。こぶりなので手足伸ばして定員2名ってとこ。

そして夕食は、別室ですが部屋ごとの個室にて。
ちょっとずつとはいえ、かなりのボリュームで途中でこりゃ食べ切るのは無理と断念。今回はお魚料理だけだも何種類もありました。そこに牛鍋も。
お汁も二回出て、さらに蕎麦まであったし(笑)

朝起きて、まずはひと風呂。ちょうど空いてた蔵湯へGo!

上がって一休みしたら朝ごはん。

8:50からロビー集合で敷地内にある青根御殿案内があります。(外からの通り道では見えなかったよ。。)

建具や照明ももろ好み!アンティークでもなかなか出回ってないような素敵なものがたくさんでジュルジュル。。。

政宗公の父、輝宗公の鎧一式があったり、直筆の書簡や実際に滞在中に使われていた調度など伊達家ゆかりのお宝もざくざく。欄間も伊達家の代表的な家紋である竹に雀と竪三つ引両が。。

由緒正しい温泉ですから、秋保温泉のやはり歴史の長い高級宿「佐勘」とのやりとりの手紙があったりしておもしろい。

伊達家だけじゃない、芥川龍之介、山本周五郎、与謝野晶子、田山花袋ら数多くの文人にも愛された湯だという。
建物の各所が絵になりすぎる。

伊達家の湯守としての時代を感じさせるお宿。
仙台に住んでる間になんでこなかったかな~(><)。まさかこんなに素敵なお宿だと思ってなかったのだろな。

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