青春18切符で道北の旅-5:礼文島(桃岩荘)

01 北海道国内道北

<5日目>9/7(月)
稚内フェリーターミナルから礼文島(香深)へ
07便     [06:20]〜香深港[08:15]

礼文島観光

礼文島1泊 ユースホステル 1泊3645円


昨日歩いてる間にやんでいたのが奇跡のごとく、またもや雨。

八戸からフェリーに乗る時には、予約していても当日乗船手続きの書類などもあり、1時間30分前までに手続きしてないとキャンセルされることもあるので余裕をもって行くようにしてた。

そういうものだと思って稚内フェリーターミナルへも朝4時30分前には起きて5時30分前には宿を出たのだけど。。。

ここはチケットも自動発券ですませられ、窓口もみやげもの屋もまだ閉まっていた(^^;)結構ぎりぎりで良かったらしい。

初めてだから時期的な混み具合もわからないし、乗れないとまずいとネットで先に予約してたんだけど、これちょいと失敗だったかな。

この島々と稚内を結ぶフェリーは、ネットだと乗客は1等以上でないと予約できなくて「2等は車と一緒の人のみ」限定で人だけだと2等は乗れないという感じに表記されてたんです。
しょうがないのでそのなかで一番安い1等和室というのをおさえてました。初めての1等。

うーん、毛布と枕が備え付けてあるくらいで内容的には一般的な2等室とあんま変わらんよーな。しかも、私以外には1人しかいない。

後で他の人たちに聞いたら「窓口では普通に2等買えるよ?」とのことで、ネット予約の罠だったようだ(ーー;)。

6-7月の一番混む時期以外は、まず2等もいっぱいにならないから予約なんかしなくてもだいじょーぶだよと。。。はい、ひとつ勉強しました。

で、港についたら今夜の宿であるY.H桃岩荘の威勢のよさそうな兄ちゃんが迎えにきてくれてた。そしてすぐに背負っていた荷物一式を持ってくれた。

で、これからどうしますか?と。このまま宿に行っても良いし、観光行ってくるなら午後にも向かえのバスは来るからどちらでもいいですよと。
とりあえず荷物は宿にもっていきますから自由に。
とはいえ、外は台風のような土砂降りだ。(いや本当に来てたらしいんだけどさ)

この中を観光するのも、、とは思うが、一度宿に行ったらちょっと辺鄙なとこなのでもう出ては来ないだろうな。せっかく初めて来た礼文だからなぁ〜〜と悩む。

その前に今乗って来た船に乗って行く人たちのお見送りをするから、良かったら見ててその間にでも考えてくださいと。何気なく外で見ていたら。。

乗船した人がわらわらとこちらに集まってきたかと思うと、土砂降りの中、いきなりギターをかき鳴らして大きな声で歌い、船上、船外激しく踊り始める人々の姿がッ!

うきゃっ!なんじゃこりゃ!私、今日ここに泊まるのよね?このハイテンションの中に混ざるのよね?!

しかし、こんなに宿の人たくさん来てたんだー。。。と思ったら、一緒に歌い踊ってた人々は一般ぴーぽーの宿泊客がほとんどだと判明。。。。く、ついていかれるのか(ーー;)

結局ここまで来たんだからと、定期観光バスに乗車してとりあえず島をめぐってくることにした。バスの時間までかなり間があったので、近くのカフェで「あつもりロール(塩キャラメル味)」とコーヒーのセットでひとやすみ。

礼文島は縦にだいたい島の東半分ぐらいしか道路が通っていない。
西側は山で車ははいっていかれないのだな。そもそも季節の花を楽しみながらトレッキングする「山」メインの島だったらしい(←知らないで来た)

なのでバスでの観光ポイントも数は少ない。まずは車窓から「日食観測記念碑 」ふむ。ちっちゃいぞ。

今でこそ「礼文=花の島」みたいなイメージだが、元々は初めて日食が観測されたことで有名になった土地で、地元の人々は今なおこちらの方を誇りにしているようだ。。。。ごみんなさい、それすら知りませんでした(ーー;)

一気に島の北西まで走って、スカイ岬へ。「Sky岬」ではなく、漢字で「澄海岬」と書く。つまりとても澄んだ美しい海というわけだ。

バス駐車場からしばらくのぼり道を歩いて展望台まで登る。珍しく風は静かなほうだというが、途中に本日壊れたと思える傘が転がっていた(ーー;)

礼文はいつも風が非常に強いので、傘は役にたたないのが常識らしい。失敗したことに、着いた時にうっかり丸ごと荷物を宿の人に渡してもらい、カッパはバッグの中に入っていたのだ!

展望台についた時に、一時的に雨が小降りになった。こんな天気でもほんとに水がきれいで青く澄み切ってる岬でした。付近には秋の花がちらほらと。

しかし、バスに戻る時にはまた降り出してきたので、ここの売店でカッパを買う。よし、これで安心して歩けるぞっ!
お次は礼文島の最北端にあるスコトン岬へ。

バスで移動時は雨ざーざーだったのが、岬へついたらまた止んだ。天気自体は最悪だけどもかなり幸運に恵まれてるというべきか?(カッパ買った意味が。。。)

正面に見えるのが「トド島」で、現在もたくさんのトドとアザラシが棲息してるらしい。
アザラシはこちら側にもよくやってくるというので、目を凝らして周囲の岩場や海中を穴の空くほど見つめていたが、残念ながらこういう海の荒れた日はあまりこないらしい。

売店で名物お菓子を買う。左は昆布のソフトクリーム。右は「きびだんご」みたいな感じ。
ソフトは結構水分が多いのか重量がある。風がふきつけるので溶けるのもやたら早い気がする。

で、この写真を撮って、さあ食べようと思ったとこに風が吹き、ぐらっと手が傾いたかと思うと。。。。。。。。べしゃ。。。。。。。(;;)底に残った一口しか。。。る〜るるる〜

たそがれながら、また雨が降って来た車窓を眺めていたら、「あ、アザラシがいます」の放送に一気にテンションあがる。

。。。。だからさ、望遠機能は必要なんだよっ!!カメラが壊れたのがやっぱ致命的でしたな。
でも、肉眼ではもっとはっきりちゃんと見えましたよ♪(視力2.0だし)

野生のアザラシを生で見れたということは、やはり非常にわくわくするものだ。

最後に港まで戻って、ちょこっと逆方向に行き、「桃岩展望台」から桃岩、猫岩、地蔵岩の3奇岩をみて終了。

ねこ~~~~~~♪

もも〜〜〜〜〜♪

ちなみにこの岩「桃の種」つきです。まんなかのごわごわがそう呼ばれている。

この時も観光中はほぼ雨がやみ、車に戻る頃にまた降り出した。カッパは。。。。

ちなみに「桃岩荘」は名前どおりここからすぐそばで、そのまま歩いて行けちゃうんだけど(笑)とりあえずお昼のこともあるので、一緒に港まで帰る。

迎えの時間までまだ結構あったので、ゆっくり街の中を散策してよさげな食べ物屋をみつける。
漁業組合の2Fにある「海鮮処 かふか」に決定!漁共とかっていかにも新鮮そうやん!
ちなみに礼文の港は「香深港」ひとつで、これを「かふか」と読みます。

「ちゃんちゃん焼き」が名物らしいがそれは何ですか?と聞いたら「生のほっけに薬味をのせて。。。」というので(←生ものダメな人)、目の前で炭火で焼いてもらう「ほっけ定食」にした。でも、焼いてもあぶらがのっててふっくら。んまーーーーーーーー!

魚を食べ終わったら「中骨焼きますか?」と。
なんだかわからなかったけど、「はい」と言ったら、食べ残した骨を目の前の炭火でカリカリに焼き上げてくれた。魚せんべいだねっ!

ふむ、こうすれば無駄無くまるごと食べられるんだ〜。これがなかなかイケル。
しかも、ちゃんと食べやすい大きさに切ってくれます。漁師の知恵に乾杯!

やがて港にお迎えが来て宿に出発。

送迎車の名前が「ブルー・サンダー・ゴー・エース」(だったかな?)という名前で、トラックの荷台に幌屋根をつけたもので、人はそこに乗り込む。

ドナドナ ドーナードーナー♪

この車には素晴らしく高性能な装置がいくつかあるそうで、まず荷台に乗り込みやすいようにスペシャルな踏み台(ビールの箱みたいの)と非常に強靭なてすり(お兄ちゃんの腕)、あと、、なんだっけかな(ーー;)

運転席との間の前は「フロントスクリーン」、荷台の背後の幌をあければ「バックスクリーン」、天井には音声読み取り装置がついており(?)「発車オーライ!」と全員が声をあわせて大きな声でいうと発車する仕組みになってるとか。

移動中もなんともおまぬけなクイズをやったり、突然バックスクリーン(幌)を開いて重要なポイントを説明したり(観光にはまったく関係ない)到着前から異様なハイテンションです!

途中「桃岩タイムトンネル」をくぐり抜けるのですが、(もちろん正式名称と違うよw)ここを通り抜けると国内で唯一の時差があり、「桃岩時間」というものがあって、30分時間が遅く流れる。
また、このトンネルをくぐると同時に「知性」「教養」「羞恥心」は投げ捨てていかねばならないという!

桃岩荘自体は、元々「鰊番屋」というニシン漁をする漁師が寝泊まりしてた小屋。だから海沿いだし、内部もほとんど当時のままの面影を残しているので情緒深い。入ってすぐが元土間で、現在も囲炉裏を囲むメイン談話室になっている。

ここには「いらっしゃいませ」「さよなら」という言葉はない。
あるのは「お帰りなさい」と「いってらっしゃい」だ。

ちょっとした言葉の違いなんだけれど、これがまたなんとも暖かく、「客」と「ホスト」ではない、同じ仲間という雰囲気をつくりあげている気がする。

宿についたらほんとに柱時計の時間が違ってて、宿内のすべての行動はこの「桃岩時間」に従うことになるので、慣れるまで混乱してややこしい(笑)

この桃岩荘からはさっき観光で見た3奇岩がすべて間近に見えます。前に浜があるので、猫岩なんかはこちらの方が近いしよく見える。

にゃ〜〜〜〜〜〜♪

しばらく浜辺散策して、礼文の海とたわむれてました。

波が荒いせいか、石も摩耗して丸いものが多く、こんな碁石のようにまんまるなのや、三角なども。

夜は噂の「ミーティング」。強制ではないと言っても、大声で呼ばれますし、なにしろ音が全部つつぬけの大音響で大騒ぎですから静かにこもってもられない(笑)

Youtubeなどで見るとなにやら古くさいムードなんですが、実際にはそうでもなく、「ここは吉本か?!」と思うようなお笑いがいっぱいちりばめられて、あまりのまぬけさに大爆笑。
ここはもう、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら。。。。。楽しんだ者勝ちです。

ほんと全員を巻き込むような感じなので、初めての人でもすぐみんなの輪の中にとけ込めちゃう。
来てる人々もとても暖かく、人情味があってはじめてなのに他人の気がしないというか。。
かなり特殊な宿ですね。

その特殊性がもろ表れてるのが、常連がもう「住み込んでる」といった感じ。
「今日で滞在1ヶ月ちょいかな〜」「わたしはまだまだ、たったの10日です」とか。温泉でもないのにですよ。連泊が当たり前。それがもうひとつの家族みたくなっちゃってる(笑)

話を聞いてると、日本一周してる人とか、自分探しの旅でさまよってる人、人間不信になっていた人など様々です。そのままヘルパーとして働いちゃう人もいるらしい。

絶望の縁にいる人も、悩んでる人も、希望を抱える人もみな同じように暖かく迎え入れて受け止める宿。おもしろいというだけじゃ語れません。
ここを離れた後でも、ここで知り合った人々がそのまま連絡をとりあってることも多いようだ。
思いがけず私も友人が増えました(^^)

たった1泊だけど、非常に感じるものがたくさんある素晴らしいところでした。
今度はちゃんと連泊して「愛とロマンの8時間ツアー」にも是非参加してみたいですな!
今回の旅行を通して、もっとも印象に強く残った体験。本当にありがとうございました。
(つづく)

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