リバティーン

BiographicalHistorical

ジョニーが、冒頭3行で出演を決定した名作と言うので興味をひかれて見てみた。

あ、こりゃR指定だろうなと(๑ ˊ͈ ᐞ ˋ͈ )ƅ̋

直接的な性シーンの露出はぶっちゃけ多くはないのだが、詩的、象徴的な芝居や戯曲はあからさまだ。
エロいというよりもはや苦笑しちゃうレベルの品のなさに加えて、宗教や政治に対する皮肉もたっぷり。
なんだろ、まるでサド公爵を思い起こさせるような、、

時代は1600年代の王政復古時代のイングランド。
才能豊かだが、自由気ままな放蕩三昧の貴族。
世間のしがらみや常識や権威などに唾を吐きかけ、やりたい放題に謳歌してるように見えるが、実際には虚飾に充ちたこの世界を嫌悪し、いつも1歩引いた冷たい目で見つめていた。

現実世界から目を背け、芝居の世界にのみリアリティを求める。
この男の人生は喜劇なのか悲劇なのか。

実はイギリスに実在した天才詩人である「第2代ロチェスター伯爵ジョン・ウィルモット」の生涯を描いた伝記的な作品。
しかもこれ、ジョン・マルコヴィッチ出演の舞台の映画化だそうで、マルコヴィッチ本人もチャールズ2世として出演している。
ロチェスター伯の才能を認め、愛しつつもその無茶ぶりに顔をしかめ、追放しては許し、仕事を任せては裏切られるの繰り返しでこの二人の関係性も興味深い。

ユーモアを交えつつも物悲しい反骨精神とどこにぶつけたらよいかわからね苛立ちのようなものが覆っている。
終盤は、なんでも思い通りにできたボンボンのドンファンが、退廃と孤独にまみれた転落人生の淵で喘ぐ様を対照的に描き出している。

忘れてはならないのが、ロチェスター伯を支える3人の女たちの存在。これ結構重要。
まだ10台の時に半ば強引に奪い去られて妻となったマレット。後ないがしろにされ資産目当てであったとこぼす。
大根役者であった女優エリザベス・バリー。ロチェスターの手によって開花し愛にも目覚めるが終焉を迎える。
軽く扱われるが、結局最後まで尽くし続けた娼婦のジェーン。
3人3様タイプも違うし、愛の形も違ったがそれぞれが全力で注いだロチェスター伯への愛。

ジョニーの奇想天外さと軽やかな皮肉は相変わらずだが、テーマ自体は社会批判がじわじわと滲むちょっぴり苦い大人向けの物語です。

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