宇宙戦争

SF

H.G.ウェルズの原作の方は読んでいて、1898年という古いSF作品にも関わらず現代でも通用するおもしろさであったことからどういう風に映像化したのか気になった。

ウェルズの作品のおもしろさは、SFなんだけど派手なアクション中心じゃなくて、その場の心情や人々の行動をクローズアップしているところにある。
パニック系ではあるがヒューマンドラマに近いとも言える。

過去にも映像化されたことはあるのだが、今回はスピルバーグ監督にトム・クルーズという豪華だがまさにハリウッド的な匂いの強い組み合わせのため、わくわくと同時に懸念もあった。
なんせウェルズの描いた宇宙人というのをそのまま映像化すると、多分子供の頃漫画で見たようなビジュアルになっちゃうだろうから(ーー;)

最終的な感想から言えば、映像的にかなりおもしろかった。
さすがに現代にマッチするように工夫されていたので、迫力がある。
ビームで攻撃されると跡形もなく消失して服だけが舞うという表現もよかったと思う。

ただ、やはり心情を細かく浮き彫りにするよりも、異星人とパニック描写の方を強調してしまった感は否めない。
特に前半あまりにも父親が一番パニックに陥りいらいらさせ、子供達がヒステリックになりすぎてちょっと騒がしい。
まあ、突然わけわからない状況に追い込まれたら実際そうなるものかもしれないけれど。。。

未知の異星人と地球人との心温まる交流、理解と友情のようなものを描いてきたスピルバーグが容赦ない一方的な侵略ものに手を出したのは意外なところもあるが、2001.9.11のアメリカ同時多発テロ事件(世界貿易センタービルにハイジャックされたジェット機が突っ込んで崩壊した映像は衝撃的でした)で受けた衝撃を重ねているという。

ラストも原作に忠実になっているが、この映画だけ見た人にはなんとも拍子抜けで物足りないと感じるかもしれないなと思った。

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