シェルタリング・スカイ

Human DramaRoad Movie

坂本龍一楽曲の映画ということで、先に音楽の方を知っていたので、いつかは見ようと思っていた一本。
しかし監督のベルナルド・ベルトルッチもどこかで見たよなぁ。。。と思ったら、『ラストエンペラー』『リトル・ブッダ』と合わせて教授とのコンビだったからか(⇦両方映画館に見に行った)
だけじゃなく、パゾリーニ監督との関わりも深いから余計目にしたわけだ(ーー;)

そしてメインキャストがマルコヴィッチ。。。なんでこれで見にいかなかったんだろ???

「エキゾチックなラブ・ストーリー」的な解説がついてたりするが、そんな生やさしいもんじゃな~~~い(笑)

結婚して10年をすぎ、倦怠気味になったアーティスト同士の夫婦が、敢えて観光客気分ではない、砂しかない広大なサハラ砂漠に目的も行き先も定まらないような放浪に出る。

ガイドもいないので言葉も十分通用しない所で、不衛生なバスに乗ったりヒッチハイク的なことをしたりしながら、砂漠の民たちにまぎれるように進む。

なんだけどね、それだけの覚悟を持ってきながら、なんでひらひらなワンピースにサンダルみたいな姿なのかがよくわからん。(--;)

決して仲が悪い夫婦というわけではなさそう。
互いを思いやり愛情を持ちながらもうまく表現できず、すれ違い、孤独に陥るもどかしさ。
求めているのに心は遠ざかっていくような不安が感じ取れた。
その反面お互い一緒に旅をしながら、それぞれ目の届かぬところで違う異性と体を交えたりするんだよな。。。

夫婦のそうした心の機微を描いたものかと思いきや、突然砂漠の見知らぬ土地で相方が死んじゃう!!
え?え?なんで?まるで死に場所を求めに来たかのようじゃないかっ!

ここからの展開がこれまた常識的な判断を裏切るようなもので、いったいこの映画はどこへ向かっていってしまうのだろうと、この映画の描くテーマの壮大さに度肝を抜かれる。

人間としてのアイデンティティの根幹を問うような深すぎる映画でした。

『ラストエンペラー』『リトル・ブッダ』などでも見られたように、ベルトルッチ監督はエキゾチックな土地を描きだすのがなんともうまい。
美しく残酷で神秘的で厳しい情景がぐっと迫ってくる。

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