トイレの中の厨房

夢日記

どこか学校のようなところの、やたらにだだっ広く古い公衆トイレ。床はむき出しのざらざらのコンクリート。
周囲は薄暗く、湿った空気が漂い、他に人の姿は見当たらない。

誰もこないうちにと、ひとつずつ開けて覗いていくが、どこも古くて扉の建てつけも悪い。

できるだけきれいそうな洋式ベンキがあるのところに入り、戸が締まりきらないので引っかかったように半分閉じた状態で鍵をかけないまま、人が来ないうちに用を足すことにする。

そこはなんかやたら広くて、ひとつの部屋ぐらいの大きさがある個室だ。
便器の蓋はなぜか何重にもなっていて、開けようとするとまとめて全部便座があいてしまう。
それでは座れないので、上から一枚ずつはがしていく。
なんだかくっついているのだが、そうすると簡単にはがれる。

便座は最新型の暖房便座である。電源もきちんと入ってることは確認できたが、いざそこのふたを開こうとするとバネのように閉じてしまう。
ああ、またやりなおしだめんどくさい。

ふと気付くと部屋の隅には古びたキッチンセットが置いてあり、端っ子には薄く白身がかぶった半熟玉子のようなのがボイルされている。

トイレは依然としてトイレであるのだが、ふと気付くと便器の脇にゴミ箱に乗ってフライパンに焼いた目玉焼きもできている。
これは自分が作ったものらしい。

あまり食欲もなかったし、食べたい気分でもなかったので捨てようとしたが、
「いや、待てよ。ベーコンとパンがもうすぐ来るんだった。そしたら食べられるかな?」
いずれにせよここは厨房も兼ねているようなので、間もなく調理人も帰ってきてしまうだろう。

母が私を探して呼びながら扉の前を通過した。鍵