ベン・ハー (1959)

HistoricalReligious

不朽の名作。
子供の頃にもテレビ放映などで見てるはずだが、多分難しすぎてわからなかったんだと思う。
監督のWilliam Wylerは、「嵐ケ丘 」「ローマの休日」など他にも有名な作品を残している。

例のごとく一体いつになったら始まるの?という長い序幕と途中休憩タイム時間がはいる。
その割に最後がサクッと終わって拍子抜けしたわ( ̄▽ ̄;)

ローマ人とユダヤ人の幼馴染。
忘れ得ぬ親友として再開を喜んだのもつかの間、大人の事情が亀裂を生む。

どれだけ家族ぐるみで付き合い心を許していたつもりでも、所詮は武力で征服した側と属州とされ屈辱を呑んだ立場なのかと愕然とする。
何不自由ない生活が、ささやかな偶然のアクシデントから一転し、奴隷として蔑まれ生死も握られる境遇に。。。

王族出身で現地の人望も厚く、武勇に優れた人物ゆえに余計に反乱の芽をつむための見せしめとして捧げられたとも言えよう。

それにキリストの人生が交錯し、馬小屋での誕生から十字架を背負っての行進、磔刑までも描き出される。

最後までキリストの顔をハッキリ映さないというのも良い感じがした。
生身の人間として登場させてはいるが、ずっと後姿ばかりで最後の裁判も遠くからぼんやりとしかわからない。

そもそもベン・ハーのフルネームが、「ジュダ=ベン・ハー」って見てびっくりした。
ジュダって表記すると多分、Judahだろうから =ユダやないか!

でも、裏切るのはキリストではなくローマ帝国という巨大な征服国家か、理不尽な権力か、、、

3時間半を超える大作なのだが、テンポも良くて飽きさせない。
終盤はある程度キリスト教の知識がないといまいちピンとこないかもしれないが、、、

最後に奇跡は起こるが、全体的にキリスト教的な奇跡物語を押し出しているわけではなく、ユダヤの信仰の中から生まれた慈悲深い指導者として描かれているのも多くの人に受け入れられやすいところかもしれない。

舟を漕ぐシーンのどんどん早まっていくリズムと限界を超えて脱落していく様子も壮絶。

海戦の乱戦も迫力。

ハイライトとも言える競技場での古代馬車での命がけの戦いも圧巻だ。

映像的には流石に時代で合成のアラは目立つが、民族の誇り、思想と信仰など深いテーマが盛り込まれており、ヒューマンドラマとしても良く出来ている。
こりゃ時代を超えて名作と語り継がれるのも納得。

しかしこれはまた凄いエキストラの人数つかってるな∑(゚Д゚)
戦闘シーンとかの一場面じゃない、ローマの軍隊や奴隷たちや村人、観客に民衆などあらゆる所で人々がひしめいてる。

スケールの大きさでは現代でもなかなか越えられそうもない。

2017年、またリメイク版が公開されるようだがさてどうだろう。
あのやや古臭い雰囲気がまたテーマに合っていたので、あまりCG使いすぎてダイナミックになると持ち味の良さがブレる予感がするのだが。

予告編みた感じでは、 モーガン・フリーマンにちと違和感を感じた以外は配役悪くない気もしたので見てみたいな。

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