蒼天航路

歴史(海外)漫画

蒼天航路(1) (モーニングコミックス)

吉川さんの小説三国志と並行して読んでいました。
定番通り三国志の正史と「三国志演義」をベースにしつつ、それに縛られない自由な筋立てを含みつつ、中でも曹操をメインに描かれている。

三国志の世界は登場人物も多く、描く人の肩入れというか、思い入れの強い人物によって結構印象が変わると思う。
もちろん劉備や孔明、孫権や周瑜なども活躍するが、やはり曹操が一番輝いた存在として描かれているのだ。

劉備の徳と仁政に対して、曹操はまさに乱世の覇者で、策謀と情のない侵略というイメージがあるが、武力で押さえつけるだけの恐怖政治では、あそこまで長く広く支配することはできなかったろう。

また曹操と言えば、豊富で優秀な人材。
やはり人間的な魅力があったからこそ、仕えようという人々が集まったのだろう。日本で言えば信長と信玄を足したような感じか。(優秀な人材を逆に殺してしまうところも似てるかも。。。)

とにかく豪放磊落、時にはまるで無邪気な子供のごとく。窮地に追い込まれても基本的にその状況をも楽しみ飲み込む器の大きさとして描かれる。
器と言えば、話の中でも劉備の方が強調されているが、なんのなんの言葉にしなくとも伝わる大きさってもんもあるわけで。。

また、かなりお気に入りなんだろな〜〜と感じた武将としては、夏侯惇と関羽。
関羽と張飛はもはや国民的アイドルというか、だいたいの作者が好意を持つように感じられるが、ここまで夏侯惇を立てたのって珍しい気がするな。

めっちゃお茶目で心配やで曹操のことばかり考えて、なんかとても可愛くいじらしく見えてしまう。

そして何よりこの漫画の良いところは「表情」!
もーね、なんと表現したらよいのかわからないほど、ところどころですっごい良い表情をするのですよ。
あの独特な表情の表現は見たことがない。

やりすぎ?ってぐらいぶっとんだ表現も多くみられるが、それぞれのキャラが見せる得も言われぬ表情は見る価値あり。

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